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  新ルールには攻撃的なプレースタイルが一番合う。
スリリングなゲーム展開でバドミントンは進化する。

 
  日本ナショナルチームヘッドコーチの
パク・ジュボン氏に、新ルールについてインタビュー。
 
Q:ラリーポイント制について、どう思いますか。

A:私の記憶では、今回のルール改正は2度目だったと思います。
思い返すと、2002年のヨネックスオープンで試行された7ポイント5ゲーム制では、ゲームが短すぎて実力を出し切る前に試合が終了してしまっていたのではないでしょうか?従来の15ポイント3ゲーム制では、なかなかポイントが進まず人によっては退屈に感じたのではないでしょうか?

21ポイント3ゲームのラリーポイント制は、実力主義で最初から最後まで全く気を抜けず、集中し続けなければ勝てないシステムで、確実にスリリングなゲーム展開となっていきます。そういった意味では、非常に興味深く、面白いと感じています。

Q:5月のトマス杯で、佐藤翔治選手がインドネシアのヒダヤット選手に競り勝ちましたが、新ルールの影響がありますか。

A:以前の15ポイント3ゲーム制では、ポイント間の間を取るのが比較的可能でしたが、21ポイント3ゲームのラリーポイント制では、明らかに短くなってしまい、ラストショットを思い出し、良いときも悪いときも振り返りイメージして考える余裕がなくなってしまいました。

それは、ルール変更により審判が試合進行を早めようと意識していて、シャトルの交換・汗拭き・水分補給・床拭きを要求してもOKされにくいからです。

ですから、選手はいかに早く頭の中を切り替え、次のプレーに集中できるかがカギとなります。この新しいポイントシステムは、常に全ての選手に対し、この見えないプレッシャーをかけ続けているのです。

その蓄積がヒダヤットのコンピュータを狂わせたのではないでしょうか。今後も、実力のある強い選手が勝つのは変わらないでしょう。しかし、そういった選手に対しても勝てる可能性が広がったと、私は思います。

Q:ゲームの中で勝つために1番必要なことは何だと思いますか。

A:それは、ウィニングショットです。サッカーで良く言われる決定力不足では絶対に勝てません。まず第1に、どれがチャンスなのかを素早く的確に判断することです。

そして、そのチャンスを決める決定打を身につけることです。チャンスを逃し、更にラリーが続けば、相手にチャンスを与えてしまうかもしれません。いかに相手よりも先にチャンスを見つけ出し、確実にポイントを取るかが勝負の分かれ目と言えるでしょう。巡ってきたチャンスには、全身全霊を込めて100%の力を注ぎたいものです。

とにかく、チャンスまで粘る集中力と、チャンスを逃がさない判断力と攻撃力が必要だと私は思います。

Q:旧ルールに比べ、ゲームのペース配分には、変化が起きていますか。

A:私の考える理想的なペース配分を申し上げましょう。

序盤の0〜5点まではラリーをします。ここでは、自分のペースを掴むと同時に、相手の特徴を分析する時間とします。中盤の6〜14点は、全てのショットを駆使しポイントを重ねリードを保ちたいところです。終盤の15〜21点は、攻撃に転じ、一気に攻めます。最も大切なのは終盤です。今までのルールとでは大きく意味が違います。

考えてみてください。自分が劣勢に立たされ相手がマッチポイントの時、もうミスはひとつも許されないのです。15点を過ぎた時点で、相手に対し5点以上の差がついていたら勝利は、ほぼ確実なものと言えるでしょう。逆に言えば、5点差は致命的ということです。劣勢の場合は、是が非でも中盤のうちに3点差までに抑えておく必要があります。

Q:新ルールに適したプレースタイルは?

A:もちろん、圧倒的に有利な攻撃的スタイルが一番でしょう。攻撃的なショットと言えば、スマッシュ・ドライブ・プッシュです。この3つに共通している点は何か分かりますか。それは、全てネットより高い位置でシャトルを捉えている点です。つまり、高い位置から低い位置へ打ち下ろす訳ですから、ミスも少なく確実性が高いのです。

一方、レシーブは、常に低い位置で打ち返すため、コース、球速、高さなど、少しでも甘いレシーブを返せばたちまち叩かれ、失点となります。こういった面からもその理由が伺えるのです。これを理解している選手は、1本でも甘いレシーブを打たせる為に、サイドラインぎりぎりや、ボディを狙ったスマッシュを打ち、そのレシーブに対しネットへつめてポイントする戦術を持っています。

Q:練習は何に注意し、メニューを考えるべきでしょうか。

A:集中力を持続させる練習メニューを考え、実践すべきだと思います。「ONE MISTAKE = ONE POINT(一つのミスは1点)」の世界では、常に集中することが必要で、勝敗を左右するのはメンタル的な部分です。集中力を切らすと即負けに結びついてしまうことを、選手ひとりひとりが認識し練習することが必要です。

また、運動能力的には、瞬発力が大切です。勝つためには、少ないラリーの中でスピード&パワーを瞬間的に爆発させ、それを何度も繰り返さなくてはいけません。おまけに、女子シングルスでは、試合時間は旧ルールに比べさほど変わりません。ポイント数が11点から21点と、ほぼ倍近く増えたので、併せて持久力も必要だと思います。

選手に教える立場にある方は、このことを良く理解しなくてはいけません。

Q:日本のジュニア対して一言お願いします。

A:海外では、随分前から21ポイント3ゲームのラリーポイント制を想定した練習を開始しています。それは、日本でも1日も早く行なっていくべきでしょう。確実にバドミントンの内容が進化してきている訳ですから、それに伴う変化には柔軟に素早く対応するべきだと考えます。

将来を担う子供達は、この新ルールを早く理解して、今までとは違う心構えをもって練習に臨むべきでしょう。


パク・ジュボン(韓国)
現役時代はダブルスのスペシャリストとして活躍。92年バルセロナ五輪金メダル、96年アトランタ五輪混合複で銀メダルを獲得。ナショナルチームを率いるのは97年の英国、01年のマレーシアに続き3ヶ国目

 

 
 

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